春秋 - 日本経済新聞

徳川家康はかなりのケチだった。着物は、ぼろぼろになるまで使った。麦飯を好んだ。紙一枚もむだにしない。武士が座敷で相撲を取っていたら、畳が傷まぬように裏返せと指示した。とことん倹約に励んだことで、莫大な財産を築き、江戸幕府の土台ができあがった。▼この気風は3代将軍までは続いたが、5~7代でくずれた。ぜい…