#43 おめでとうが言いたくて | ミリオンライブ! 誕生日小説シリーズ - サイトロの小説シリーズ - pixiv

夕刻の楽屋は、北沢志保だけのものだった。窓際にパイプ椅子を置き、そこに腰を預けてから、後は沈黙。視線は窓の外――夕暮れの色に包まれた町並み――ではなく、手元のスマートフォンに注がれていた。時折画面の明かりを付けては、表示される時間と猫の画像を確かめて、それだけだった。音は、小さな...