キャンプを忘れさせてくれる夢を見たい

31才の頃のこと。「有明淑日記」を元にして、想像力を奔放に跳ね回らせて、太宰治『女生徒』を越えるような小説を書こうとしていたことは、どこかに書いた。 その時に考えていた細部が、夜中に不意に蘇って来ることが最近何度かあった。『カラマーゾフの兄弟』の終章では、尊崇の対象だったゾシマ長老が亡くなり、その遺骸…