短編小説「ゴールキーパー上空には白煙のリング」

どこにだって、気取りたがる男はいるものだ。 街の中心部にあるホテルは、吹き抜けを多用して、空間を縦に使う。言い換えれば、横には広がりが限られているので、例えばモーニング・ブッフェのレストランは、かなり混雑することになる。 スーツを着込んだ旅行者らしき男が、カウンターの私の隣に腰かけた。ハイスツールか…