西から観た横山大観(2) - てつりう美術随想録

横山大観『無我』(1897年、足立美術館蔵)横山大観は、明治元年に生まれた。だから、彼の前半生は年齢の計算がしやすい。この『無我』は明治30年の作というから数えの30歳、満年齢では29歳のときに描かれたことがわかる。彼の出世作といってもいいだろう。けれども『無我』は、ぼくにはちょっと難しいところのある作品だ…