愛とはなんだかわかりません

年配の夫婦が営む古ぼけた喫茶店で夕飯をとる。おじいさんのほうは柔和で、おばあさんのほうは一見きついが、決してやさしくない訳ではない。寒くてかじかんだ手をさすりながら、「すばる」2月号に掲載されていた小山内恵美子『花子と桃子』を読む。とにかく怖くて、いい意味で本当に気味の悪い小説だった。人間の、女の…