(書評)「プロパガンダ」史観の限界

素人が挑む「南京事件」 この八月、いわゆる「南京事件」を論じた二冊の書籍が出版された。 一冊は有馬哲夫『歴史問題の正解』(新潮新書)、もう一冊は清水潔『「南京事件」を調査せよ』(文藝春秋)だ。有馬は冷戦期プロパガンダ研究などで有名なメディア研究者、清水は桶川ストーカー事件や足利事件などの報道で知られ…