中動態の世界 意志と責任の考古学ーあるいは音楽を聴くことについて

國分功一郎『中動態の世界 意志と責任の考古学』は刺激的でスリリングな書物である。こんなにおもしろい思想書を読んだのは久しぶりだった。能動態とも受動態とも違う態「中動態」、失われた態をめぐる言語的・哲学的・思想史的考察はまさに圧巻の一言である。能動でも受動でもない図式で、世界を眺めることの重要性がひし…