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谷崎潤一郎『春琴抄』
谷崎潤一郎『春琴抄』は面白かったけれど、最後までうっとりした状態に陥らなかったのはたぶん私がとても普通のひとだからで、盲目の美しい女師匠の悲惨な顔の傷を見まいとするために自らの黒目を針でつき至極の喜びを得るような、恍惚として陶酔する愛の世界、つまり私にはSの要素もMの要素も薄いんだなーと思った。また…