「挫折」と「敗者」――「北の人」山口昌男のこと - king-biscuit WORKS
薄く霜がおりたようなフロントグラスに、はじける朝の陽がまぶしかった。くたびれた商用バン、使い込んだディーゼルエンジン特有のあのゴロゴロ音とすすけた排気ガス臭が、見渡す限り真っ白な冬の雪原に似合っていた。 とりあえず除雪だけされた黒い帯のような片側一車線。30代そこそことおぼしき地元のアンちゃんに送って…