文体について(その3)――丸谷才一「批評家としての谷崎松子」 - qfwfqの水に流して Una pietra sopra

前々回、「文体について(その1)」と題した文章を掲載するまでに、ひと月あまり間があいた。更新が滞ったのは、その間、ちょっと気の張る原稿を書いていたためだった。気の張るというのは、柄にもなく日本の古典文学をテーマにした原稿だったことにくわえ、同じテーマの執筆予定に丸谷才一の名前が挙げられていたからだ。…