『総理』電子書籍版あとがき 2020.6.1

 二〇二〇年が始まって未知のウィルスによる肺炎の流行が具体的な脅威として囁かれるようになったとき、そのあとの展開がどのようなものになるかを、わたしはまったく予想していなかった。コロナウィルスのふるまいに関する初期の情報は、特に疑いを抱くことなく受け入れていた。四日間の待機にしても...