「上遠野浩平論」⑦~決定論的な運命(『パンドラ』『ジンクスショップ』『酸素は鏡に映らない』)

上遠野浩平論の第7回です。 いま本論は、連載の第5回以降を第二章と位置づけ、上遠野浩平の文学が追及してい美意識・問題意識について検討している。その初めとなる第5回と第6回では、「可能性」が上遠野文学の中核であるとの認識の元、〈世界の敵〉というタームや、種々のキャラクターの文学的な意味での存在意義につ…