「上遠野浩平論」⑧~〈戦士〉の条件(『ぼくらは虚空に夜を観る』ほか)

上遠野浩平論の第8回です。 本論は、上遠野浩平の作品世界について文学論的検討を行うことを目指している。前回の第7回では、だいたい2000年以降の作品群を第2期上遠野浩平と呼ぶことを提案し、その第2期では〈決定論的な運命〉という概念が上遠野世界の中心的テーマになっているという見解を示した。 今回の第8回で…