「上遠野浩平論」⑨~魔女の消滅と「可能性」の復活(『ヴァルプルギスの後悔』)

上遠野浩平論の第9回です。 本論はこれまで、第5回・第6回では「可能性」を描いた第1期上遠野浩平について、第7回・第8回では「運命」を描いた第2期上遠野浩平について、それぞれ論じることで、デビューからゼロ年代にかけての上遠野浩平が、どのような流れの中で自分の文学を展開してきたかを示してきた。 今回は…