No.067 若尾文子の「平凡」で「軽妙」な身体―増村保造『青空娘』 | 総合文学ウェブ情報誌 文学金魚 ― 小説・詩・批評・短歌・俳句・音楽・美術・骨董・古典・演劇・映画・TV
古い日本映画はセリフやテンポが遅く退屈で観ていられない、もしそういう固定観念をもっていたとしたら、おそらく増村保造という映像作家の映画に出会っていないからだろう。今から約60年も前に映画を撮りはじめた増村が描く映像の速度は、あまりに速い。むろんそういった新しい映画を用意する基盤は、1950年代半ばあたり…