廃墟探偵【その175】

彼がなくなったらしい。 聞いたところによると、煙草を買いに外へ出たと思ったら、そのまま、ということだった。彼の嗜好品はたしかになかなかどの店でも売っているものではなかったと記憶しているから、道中でなにかがあったのだろう。彼らしいといえば、たいそう彼らしい。知らせを聞いた瞬間に出てきたのは、そんな陳腐…