巻四第三十一話 王の殺意から逃れた名医の話

巻4第31話 天竺国王服乳成嗔擬殺耆婆語 第卅一 今は昔、インドに国王がありました。心はねじ曲がっていたし、いつもうとうとして、眠ってばかりいました。まるで寝ることが仕事のようでした。 こんな人はそうはいません。大臣や公卿は「これは病だ。だから終始うとうとして、眠ってばかりいるのだ」と断じて、位の高い医師…