黒子を味方につける。

「キミは黒子見えるのか? キミの黒子だよ、黒子さま」 仕事の話が一段落したのをキッカケにホッと空気が和んだ。ほどよい加減にお茶熱さが伝わる高そうな湯呑みを口に運んだ時だった。現場上がりらしいゴッツイ系丸出しの風貌のC社長がボソッと呟く。 黒子って、あの黒子ですか、歌舞伎なんかで役者の衣装替えの手伝いを…