誤配される手紙、あるいは「苦海浄土」

* 手紙は常に宛先に届くのか? フランスの精神分析医、ジャック・ラカンがその難解極まりない事で知られる主著「エクリ」の冒頭に置いた「盗まれた手紙のセミネール(1956年初出)」はラカン派精神分析の基本的思考が集約されたテクストとして知られています(もちろん一読しただけではちんぷんかんぷんなんですけど)…