標高3000メートルから先は、異世界だった。そして僕らはそこにいた。

絶対、絶対にこれ以上、登りたくない。もう散々だ。午後8時、雨嵐吹き荒れる山荘、標高3000m近くで僕はそう思った。 話は入山1日目に巻き戻る。 入山1日目。 僕は登山を完全に舐めていた。ハイキングみたいなものだと完全に勘違いしていた。楽しく森林浴しながらお散歩。お花畑の頭の中で僕がスキップしていた。冷静に…