白紙の空へ火を投げろ

「ミサトはサンタクロースがいったい何のためにあるんだと思う?」 真冬の川沿いを二人で歩いていた。空一面をどこか不機嫌そうな色を滲ませた雲が覆っていた。鋭く尖った冬の冷たさに乗せられて、草の匂いが微かに鼻をついた。星も月もない夜道でひっそりと佇む彼らを照らすのは、なんとも所在なげな街灯だけだった。あと…