風のない日の鯉のぼり―オタク漫画家の生きる道

端午の日。四条静也と理沙の愛息子・涼也の初節句。四条一家、相変わらず幸せそうで何よりである。 さてその一方、和江が出ていった小林家では、和江の従弟・沢田文雄が漫画の仕事に励んでいた。立身出世を願った鯉のぼりに、ふと昔を思い出す文雄。 ――僕は社会不適合者だ。自分は淘汰されるべき人間だ。オタク漫画家・沢…