失われた目を求めて  埋もれた短編発掘その24 武宮閣之『月光眼球天体説』

 眼球を天体に見立てる…。そんな頓狂な発想から、おそらく、この素敵な物語は生まれたのでしょう。 武宮閣之『月光眼球天体説』(『ハヤカワ・ミステリ・マガジン1991年8月号』収録)は、なんと、宇宙をさまよう「目玉」の物語。 主人公の少年は、十二歳になったばかり。両親の不和が原因で、叔父夫婦のもとに預けられ…