ナベツネ考

――支配階級の隠居は、支配の哲学の監視者である。国家の行く末なんというくだらぬことを考えながら彼が監視するものは、主として“支配の品格”というものである。老人は、近々自分が死ぬのだから、他人の人死になど何とも思ってはおらず、したがって基本的に過激である。 ● 世にクソジジイと呼ばれる存在がある。 隠居、な…