大岡昇平と吉田秀和と音楽と

今年(2019年)、河出文庫から吉田秀和(1913-2012)の音楽評論の本がずいぶん文庫化された。98歳まで生きた吉田が遺した膨大な評論から、作曲家や指揮者、ピアニスト別にテーマを絞って新たに編集したものが6タイトルと、2011年に発行されていた『マーラー』に、新たな5篇を追補した『決定版 マーラー』の、計7タイトルだ…