『瞬殺猿姫(48) 猿姫の痛手。三郎たちの算段』

茶店の奥から、彼女が漏らすうめき声がわずかに聞こえた。 織田三郎信長(おださぶろうのぶなが)は、思わず唇を噛む。 床机に腰掛けて、苦々しい顔でいるのだった。 背中を刺されて負傷した猿姫(さるひめ)。 彼女を、三郎は仲間の蜂須賀阿波守(はちすかあわのかみ)の手に任せた。 もう一人の連れ、佐脇与五郎(さわき…