ピカソは偉い、そう考えていた時期が俺にもありました

西岡文彦『ピカソは本当に偉いのか?』を読む。誰かさんのようにもっと論争的で挑発的な書き方をした方が本は売れるだろうに、そうしないでまっとうな根拠を提示していくところに著者の誠実さを感じる。それは、あとがきにある次のような芸術観に根ざすものだ。 私は、芸術という「創る」営みの出自が「働く」ことにある以…