短編小説「初めての試験」 上

今日の仕事は上手くできるだろうか。 試験会場は自宅から電車を四十五分乗り継いだ場所にあった。 有名な大学のキャンパスだ。 今日はこの会場で日本語の試験が行われる。 と言っても僕は試験を監督する側だ。 僕は日銭を稼ぐ必要があった。 だから試験監督の仕事に申し込んだ。 日本語試験は英検やTOEICのようなもの。 日…