「ひとつ恋でもしてみようか」

「日記は、必ずしもその日あった出来事を書きつけ、反省したり、自己満足したりするだけのノートではない。倦怠と無為に支配された郊外にあっては、積極的に行動を起こす動機にもなる。つまり、日記に何も書くことがないから、ひとつ恋でもしてみようか、というわけだ。ぼくは、一日に一日ずつ過ごす“ある日”に何らかの定…