【日刊 太宰治全小説】#22「陰火」紙の鶴(『晩年』)

【冒頭】「おれは君とちがって、どうやらおめでたいようである。おれは処女でない妻をめとって、三年間、その事実を知らずにすごした。こんなことは口に出すべきでないかも知れぬ。 【結句】まずこの紙を対角線に沿うて二つに折って、それをまた二つに畳(たた)んで、こうやって袋を作って、それから、こちらの端を折って、…