金で買えない女はいない……が、しかし。 ~ 瀬戸内寂聴 『色徳』

六歳で女を知り、以来千人斬りと称されるほど数多くの女と渡り合った鮫島六右衛門。 まるで昭和の源氏物語のようなこの小説は、実在する人物をモデルにして描かれたそうだ。年老いた六右衛門を中心に、回想場面を孕んで展開していく。 幼いころ初めて関係を持った女中に始まり、祇園や大阪の芸者との恋など……。作中に登場…