〔書評〕五木寛之『親鸞』~ 南無阿弥陀仏とは阿弥陀さまからの問いかけへの返事

人間臭さを感じさせる親鸞。五木寛之の『親鸞』は三部からなる長編小説だ。第一部には、貴族の子として育った八歳から、親鸞と名乗るようになり、越後へ流されるまでが描かれる。 「南無阿弥陀仏と念仏を唱えれば誰でも極楽浄土へ行ける」と教える法然の弟子となった綽空(後の親鸞)。かつて自分の家に仕えていた犬麻呂夫…