光と風と空と、子供の世界――ル・クレジオ『海を見たことがなかった少年』

ジェンナでは、時は他処(よそ)と同じ仕方ではすぎなかった。おそらくそれどころか日々はまったくすぎさえしていなかったのだ。数々の夜があり、昼があり、そしてゆっくりと青い空にのぼる太陽が、また地面の上で短くなり、それから長くなる影があった、けれどもそのことはもはや以前のように重要ではなかった。ガスパー…