死者のおしゃべり小説―フアン・ルルフォ『ペドロ・パラモ』

道は上りになったり下りになったりしていた。「行くか来るかで、上りになったり下りになったりするんだよ。行く人には上り坂、来る人には下り坂」 「下の方に見えるあの町はなんていうんだい?」 「コマラだよ、旦那」 (前掲書、8頁より引用) ラテンアメリカ文学にハマるとだいたいは通ることになる作家、といってもいい…