歴史をのみ込む日常という沈黙―ル・クレジオ『オニチャ』

夏がくれば、というか夏至が近づけば……ということなのだろうか? どういうわけか毎年この時期になるとル・クレジオという作家の光にあふれた小説作品が読みたくなる。それで今年もル・クレジオの著作を手に取った。今回の記事で紹介するのはこの本。 ル・クレジオ 著、望月芳郎 訳『オニチャ』(新潮社、1993年) オニチャ…