詩集「夜空はいつでも最高密度の青色だ/最果タヒ」

私は美容院にいた。予約していたにも関わらず、前の客の時間が押したのか、私は担当美容師が空くのを暫く待つことになった。アシスタントと思わしき男性が、私の目の前に数冊の雑誌を並べて、待っている間これでも読んでてくださいと告げた。美容院で髪を切る前に出される雑誌の定番としては、その季節に見合ったヘアカタ…