第六章 - 孤独な蛙

前回の話:第五章 - 尼僧と猿神 廃神社から団地までの道は、塩田とぼくが何度も何度も飽きるくらいに往復した、ある意味ではぼくと塩田を結んでいた道だった。 ぼくは中学の三年間、いじめにあっていた。 厳密に言うとそれは、ぼくが複数の誰かに直接的な危害を加えられていたわけではない。暴力を振るわれたり、お金を巻…