第九章 - 猫の爪

前回の話:第八章 - 合図 ラゴはぼくの頭の中に合図を放つやいなや、ぼくの方には一切顔を向けずにバックパックをブンと振り回して背中に背負い直し、しかしぼくに背を向けたまま大きく右腕を振り上げ、ぼくの方に掌の甲を掲げて手を振った。それがぼくへのエールだったのか、あるいは最後の挨拶だったのか、その時のぼく…