第十二章 - 眠り

前回の話:第十一章 - 豪腕 切通しの緩やかな坂道を一気に滑り降りるようにして走り続けるぼくの背後から、佳子ちゃんの激しく泣き叫ぶような声と、真夜中にどこからともなく聞こえてくる怪しげな鳥の鳴き声のようなギャーギャーという奇声とが入り混じった、耳を劈くような空気の震えがぼくの背中を掻きむしるようにして…