避難に慣れている人たち(「宇宙人 東京に現る」感想その2)

小津映画で不満に思っている点があります。それは、戦争の痕跡が見えづらいということ! たとえば「彼岸花」(1958年・昭和33)。この映画には“戦争の時は大変でだったねえ”みたいなセリフが、一瞬あります。でも本当に一瞬。公開当時の観客は、全員が戦争体験者だから短いセリフであっても「わかるー!」と共感の嵐だった…