【800字書評】『湖の男』 アーナルデュル・インドリダソン/柳沢由実子訳/東京創元社

過ぎ去りし時代の悲劇を掘り起こす アイスランド、クレイヴァルヴァトゥン湖。地震の影響で干上がっていたこの湖から、白骨化した遺体が発見される。レイキャヴィク警察は、こうした骸骨の捜査にうってつけの人物として、エーレンデュル捜査官を抜擢する。彼は弟を雪山で喪ったという幼いときの苦い記憶からか、失踪や行方…