【閲注】【母の日イベ(だったはず)】ルートグランの思い出

そこはとても見晴らしの良い高い丘だった。豪奢な館はまさしく貴族の住まいと言える風貌で、国を一望することのできるその一等地に建っていた。 月のない、暗い夜。暗い暗い、夜。吹く風は冷ややかに、潮風と木の葉を運ぶ。 「…始めよう」 一人の精霊の男のその言葉で、潮風は、血の臭いを乗せた。