20世紀は遠くなりにけり⑤ 「産業至上主義」が始まったばかりの1960年代の情景

20世紀に入ってからの歴史展開について、政治思想史からのみアプローチしている研究家の大半が反資本主義的視野に追い込まれる展開を迎えます。「例外状態」や「敵友理論」といった概念を尊ぶカール・シュミット流の政治至上主義者の目には、資本主義的展開の全てが「政治思想のイデオロギーとしての純粋性を侵犯する穢れ…