古本夜話132 富沢有為男『地中海』『東洋』『侠骨一代』

スメラ学塾は残された第一次資料がほとんどないようなので、小島威彦『百年目にあけた玉手箱』の記述からだけでは、その明確な立体図や二千人に及んだという塾生の実態、そこで行なわれた講義や講演がリアルに浮かび上がってこない。それは西田幾多郎門下の西洋哲学専攻の小島や仲小路彰の屈折した転回と相似し、共通して…