古本夜話462 日産書房と小林秀雄『文芸評論』

戦後復刊したスタイル社の短命に終わった季刊雑誌『文体』は、小林秀雄の『ゴッホの手紙』の連載や装丁が青山二郎などであったことから、戦前の『文体』の三好達治編集と比較するまでもなく、小林の人脈の色彩が強くなっていることを、前回既述しておいた。本連載で見てきたように、小林は昭和八年の『文学界』創刊に関わ…