古本夜話527 洛陽堂と山崎延吉『農村教育論』

大正三年に洛陽堂から山崎延吉の『農村教育論』が出されている。定価一円九十銭、菊判上製五百五十ページに及ぶ大冊といっていい。私の所持する一冊は裸本だが、おそらく箱入だったと思われる。凡例の言からすると、山崎にとってこれは『農村自治の研究』に続く二冊目の著書とされる。この奥付には六月初版、七月三版発行…