古本夜話745 東京人類学会編『日本民族』と東大人類学教室の選科生たち

前回、中谷治宇二郎が東京帝大理学部人類学選科生で、前々回の雄山閣の「考古学講座」の松村瞭博士の下で先史学研究に従事していたことを挙げておいた。 明治十七年に東大理学部生物科の学生だった坪井正五郎たちの呼びかけで、一ツ橋の植物学教室において人類学の会合が催され、これが東京人類学会の発祥となった。昭和十…