書き下ろし短篇『七夕飾りの短冊と女心』
僕:今年の七夕は土曜日。生まれた時から都会のマンション暮らしで、天の川も見たことのない一人娘のために、久しぶりに僕の実家に帰ることを計画している。車で5時間の不便な田舎だけど、田んぼではカエルが合唱し、小川では蛍が光の輪を描く風景は変わらず