書き下ろし短篇『雨がくれた贈り物』
まだ梅雨が明けない7月の夜は蒸し暑くて寝苦しい。仕事関係の飲み会で酔っぱらい、終電で帰宅できたのは良かったけれど、ハッと目覚めるとネクタイをしたままベッドに転がっていた。また、やっちまったか。干からびた喉を潤そうとキッチンに行くと、蛇口から